menu

IPL治療

ドライアイ・マイボーム腺機能不全(MGD)について ドライアイ・マイボーム腺機能不全(MGD)について

涙は、油分・水分・ムチンの層からできており、水分が蒸発しないように、表面に一層薄く油層がのっています。その油を分泌しているのが、まつ毛の生え際にあるマイボーム腺です。このマイボーム腺の出口が細菌感染などによってつまると、涙の中の油分のバランスが崩れて、目が乾きやすくなったり、涙目になったり、炎症が起きたりします。これをマイボーム腺機能不全(Meibomian Gland Dysfunction, MGD:以下、MGDと略します)といいます。
ドライアイは、「涙の水分が少ないタイプ」と「涙のあぶらが足りないタイプ」があり、MGDになると「涙のあぶらが足りないタイプ」のドライアイにつながります。最近の研究では、MGDにともなう「涙のあぶらが足りないタイプ」のドライアイが、ドライアイ全体の8割以上と圧倒的に多いことがわかってきました。涙のあぶらが足りないタイプは点眼治療では改善しない場合が多いのです。そこで当院ではMGDに対する新しい治療IPLを導入しました。

マイボーム腺機能不全の症状
  • 目が疲れやすい
  • なんとなく目がごろごろしたり、不快感がある
  • めやにがたまりやすい
  • 涙目になりやすい、うるうるする
  • 目が乾く、痛い
  • 目がかゆい
  • まぶたが重い
  • まぶたが熱い
  • ものもらいができやすい(霰粒腫、麦粒腫)
  • 充血しやすい
  • まつげが減ったり、目にささったりしやすい
  • まつげが汚れやすい
  • 朝、目が開けにくい
  • 朝、症状がひどく出やすい
ドライアイの検査、診断(idra)

ドライアイに関わる各検査を非侵襲的に定量化することのできる機械がidraです。
ドライアイかどうかを診断し、水が足りないのかあぶらが足りないのかを検査します。
この機械で

  • 涙の安定性(NIBUT)
  • 涙の量
  • あぶらの厚み
  • マイボーム腺に異常がないか
  • 瞬きの質

この機械1台でドライアイの程度や原因を詳しく解析でき、効果的な治療を選択するための重要な指標になります。

IPL治療とは

IPL治療は、レーザーよりも幅広い波長の光をカメラのフラッシュのように極短時間照射する治療です。長年にわたり、皮膚科、美容皮膚科領域で使用されています。 これを眼科領域に応用したドライアイやマイボーム腺機能不全に対するIPL治療は、国際的なドライアイ治療ガイドライン(TFOS DEWS Ⅱ、2017年)でも推奨されており、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国、台湾などアジアの国々でも行われています。

IPLの効果

IPLには以下のような作用があると考えられています。光で皮膚の深部を温めて、マイボーム腺のあぶら (マイバム)を溶かす作用


IPL治療により、マイボーム腺開口部の詰まり(Plugging、いわゆるタピオカサイン)が減り、涙のあぶらの質や量を改善することで涙の安定性が改善し、自覚症状も改善したということが、これまでの臨床研究で報告されています。

施術の方法

当院では IPL治療機である AQUA CEL(アクアセル)を 用いて施術を行います。
IPLの施術は5分~10分程度で終了します。

  1. ベッドに横になり両目を閉じます
  2. 専用のアイシールド(保護シール)を両まぶたに装着します。
  3. 耳のわきから頬、鼻にかけてジェルを塗ります。
  4. こめかみ、頬、まぶた、鼻にかけてIPLを数回照射します。
  5. 照射が終わったら、ジェルを拭き取ります。

検査や診察の時間が別にかかります。 ご自宅からお化粧をしないで来院してください 施術後は日光に敏感になりますので、日焼け止めを塗ってからご帰宅いただきます。 ご自身の肌にあった 日焼け止めをご持参ください。

IPLの治療期間

重症度やこれまでの罹病期間にもよりますが、3週間から4週間おきに4回以上治療すると効果が高いと報告されています。

IPL施術の副作用

施術時に、瞬間的にぴりっとした痛みを感じることがあります。
皮膚の状態や皮膚の色により、施術部位に赤み、ほてりやひりひり感がでたりすることがあります。
ごくまれにかさぶたや水ぶくれができることがあります。
気になる場合には冷却をおすすめします。

IPL治療の適応のない方

IPL治療は光治療です。以下の方は施術できません。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 紫外線アレルギーなど光に対するアレルギー(光線過敏症)がある方
  • 光感受性を高める薬を内服・外用している方
  • 糖尿病、アルコール中毒の方
  • 日焼けをしている方、する予定の方
  • スキンタイプVIの方(肌が暗褐色)
  • ケロイドになりやすい方
  • てんかん発作の既往がある方
  • 血液凝固能に異常がある方、免疫抑制剤を服用している方
  • 前がん病変、皮膚がん、または皮膚がんの既往歴がある方
  • 眼疾患の急性炎症の時期
  • 18歳以下
IPL治療の費用

ドライアイ・マイボーム腺機能不全 に対するIPL治療は、健康保険適応外のため自由診療です。

IPL治療費
(検査代、診察代込)
1回 8,000円(税込)
4回セット 30,000円(税込)

薬の処方を希望される場合は、 自費で処方いたします。 他の保険診療と 同日に施術することはできません。

当院は新たにIPL治療(ドライアイ治療)を導入します。ドライアイ治療の第一人者であるLIME研究会 有田玲子医師の指導の下、現代病と言われるドライアイに適切な治療を実施していきます。 当院は新たにIPL治療(ドライアイ治療)を導入します。ドライアイ治療の第一人者であるLIME研究会 有田玲子医師の指導の下、現代病と言われるドライアイに適切な治療を実施していきます。

LIME 研究会は、現在、眼科で急増しているマイボーム腺関連疾患の研究促進ならびに治療の質の向上と普及を目的として2012年2月に発足されました。
LIME研究会のサイトではマイボーム腺機能不全の症状や、ご自宅で毎日できる簡単なマイボーム腺ケアの方法など、世界的に新しい知見の解説や珍しい症例、役に立つ情報などが発信されています。是非ご覧ください。

LIME研究会